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小説などの本についてあらすじや面白いポイントなど載せています。参考までに見て頂ければ幸いです!

震える岩 著:宮部みゆき

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小説『震える岩』レビュー:古代からの謎と現代の推理が交錯する歴史ミステリー

 


『震える岩』は、宮部みゆきさんの人気時代ミステリー小説シリーズ「三島屋変調百物語」シリーズの1冊で、過去と現代が入り混じる物語が楽しめる作品です。江戸の怪談とミステリーが見事に組み合わさったストーリーは、読者を魅了し、ページをめくる手が止まらなくなります。今回は、そんな『震える岩』の面白いポイントを3つに絞ってご紹介します!

 


1. ミステリーと怪談が絶妙に融合した設定

 


『震える岩』は、ただの怪談やホラーではありません。宮部みゆきさんの作品らしく、ミステリーとしての要素がしっかりと練りこまれています。怪奇現象の裏にはどんな真実が隠されているのかを、登場人物たちが解き明かしていく様子がリアルで、一筋縄ではいかない謎が続々と登場します。物語の舞台である江戸の古い町並みや、伝統的な風習が重なり、怪談の恐ろしさに歴史の重みが加わることで、普通のホラー小説とはひと味違った不気味さと奥深さを感じることができるのが特徴です。

 


2. キャラクターたちの人間味と成長が魅力

 


『震える岩』の物語は、主人公と周囲の人々が怪談を語り合いながら進んでいきますが、そこにはキャラクターそれぞれの背景や思いが反映されています。特に、主人公が周囲の人々の話を聞くことで人間として成長していく様子が丁寧に描かれているのも、この物語の大きな魅力です。また、語り手である「聞き手」の役割を持つ三島屋の人々が、少しずつ謎に迫りつつ、自らの経験や過去の後悔と向き合っていく姿には、読者も共感せずにはいられません。

 


3. 江戸の文化と歴史が息づく緻密な描写

 


宮部みゆきさんの作品の魅力は、江戸時代の文化や風習が鮮やかに描かれていることにもあります。『震える岩』でも、江戸時代の街並みや人々の生活、風習が丹念に表現され、まるでタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。また、物語の中には歴史的な背景も織り交ぜられ、当時の日本社会における価値観や常識に触れることができるのも、この作品ならではの面白さです。歴史に詳しくない人でも楽しめるように、難しい言葉や時代背景もわかりやすく解説されているので、江戸の世界に浸りながら物語を楽しめます。

 


まとめ

 


『震える岩』は、ミステリーとしての緊張感と、怪談の不気味な雰囲気、さらには江戸文化の奥深さが詰まった作品です。恐ろしい話の中に人間ドラマが描かれ、読み進めるほどに登場人物に対する愛着が湧いてくるのも、宮部みゆき作品の醍醐味です。歴史の謎と人間の思いが絡み合う『震える岩』は、心に残る一冊になること間違いなし。怪談好きの方はもちろん、じっくりと物語を楽しみたい方にもおすすめしたい作品です。